ただ、おそらくこれは、この垢抜けなさがユーザーの心理的ハードルを下げ、使いやすさにつながると計算されているのだと想像する。このリアクションボタンの風味にマッチする人が、ユーザーとして選ばれていると言っても過言ではない。中高年の平均値を取れば、実際これは外れていないのであろうが、そこにマッチしない層にとっては、これだけでmixi2を選ばない理由になりそうである。
・新しい発見がない
かつてのmixiが始まった2004年において、SNSは画期的だった。そこで初めて出会い、つながる人たちもいた。
しかし2024年の今、人々が多くのSNSを経験してしまった時代になって、今さら新しいSNSに参加したところで、そこでの人付き合いはこれまでに積み上げられた人間関係がベースであり、ちょっとやそっとでは揺るがない。
これはmixi2に限った話ではないが、X(旧ツイッター)でブロックやミュートをした相手と、新しいSNSでエンカウントしてしまう煩わしさは、できれば味わいたくないタイプの不快感である。
既存のいくつものSNSを通じて、ネット上の人間関係がほぼ確立してしまっている中高年にとって、mixi2は目新しい場所ではないとも言える。ただ、前述したように、Xの代替SNSを求めている人たちが、コミュニティごとごっそりとmixi2に移住できるのであれば、それは安楽の場所となるのかもしれない。
「どハマり」はできないが
選択肢の一つになりそうな理由
筆者の個人的な感想としては、既存のSNSに比べて今からmixi2にどハマりする可能性は低いように思った。ただこれは、自分の仲間(いわゆるマイミク)との交流が今後どうなるのかという点が大きいのであろう。
人はにぎわっている場所に寄っていく習性があるから、今はまだXから離れられない人が多くとも、各種SNSに人が分散するにつれ、それぞれの定住地が決まっていくのかもしれない。
3年後、mixi2はSNS界でどのような立ち位置となっているのか。ユーザーはFacebookと同じ年代層か、もしくは若干若く、Facebookよりも文系・インドア派が多く、政治よりのトピックが少ないSNSとなる。そんな予想をひとまずはしておこうかと思う。