『ピクミン』が時を経て大ブレイクのなぜ、令和の人々がハマる“応援沼”の傾向『ピクミン』ブームが再来。なぜ令和の今になって?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

シリーズ初のミリオンセラーとなった『ピクミン4』。4作目の大ブレイクの背景は企業努力の賜物に他ならない一方、昨今の「ちいかわ」ブームにも共通する「応援したくなる」要素に起因するのではないか。令和に生きる現代日本人に通底する、ある傾向を考えよう。(フリーライター 武藤弘樹)

売り切れ続出の再販売グミ
ピクミンがブレイクに至るまで

 ゲーム『ピクミン』のキャラのキーホルダーが入ったグミ「ピクミン マスコット&フルーツグミ」(バンダイ キャンディ)、通称「ピクミングミ」は、昨年8月の発売以降人気で品薄となっていたが、1月15日に再販売され、またも早速全国各地で売り切れが続出した。当日Xのトレンドワードに「ピクミングミ」がランクインするほどであった。

 今年いよいよガツンと来たピクミン人気だが、ゲームキューブでシリーズ1作目が発売された2001年はCMソングだけは大流行したものの、ゲームソフト自体の売れ行きやピクミンというキャラの浸透具合は芳しくなかったようだ。

 最新作『ピクミン4』は2023年7月に発売されシリーズ初のミリオンセラーとなったが、ようやく果たしたこのブレイクの背景には、ピクミンをゲーム外で認知させるべく動いた任天堂の企業努力の他、今大人気の『すみっコぐらし』や『ちいかわ』、少し遡れば『鬼滅の刃』にも共通する、そして令和に生きる現代日本人に通底する、ある傾向がうかがえるように思えてならないのである。このことについて、もう少し詳しく解説していきたい。

 ピクミンは大きさが「プチトマトぐらい」(公式より)の、頭に植物を生やした二足歩行の生物である。ゲーム内ではプレーヤーの指示に従って物を運んだり、橋を作ったり、自分より大きな原生生物に群がって倒したりする。生命力は高くなく、油断するとすぐ死んでしまう。また、笛を吹かれれば整列するなど、知能が高く従順な一面ものぞかせる。