投資に役立つ世界の経済ニュースを独自の視点からわかりやすく解説する、チャンネル登録者数50万人、総視聴数9400万回を超える人気投資系YouTuberのバフェット太郎氏。
冷徹な市場分析と鋭い舌鋒で予想を次々に的中させる一方で、その投資スタイルは堅実で実践しやすいと投資初心者から経験者まで幅広い支持を集めている。
そんな同氏の6年ぶりの新刊『投資の教室 人生を変えるマネーマシンのつくり方』(ダイヤモンド社)は、お金を生み続ける「マネーマシン」のつくり方と考え方、新NISAの鉄則や個別株や新興国株、金やビットコインなどの投資の基本を凝縮した一冊だ。その一部を抜粋・編集し、お届けする。
サラリーマンの人的価値は「2億円」
将来の資産形成やお金持ちになる上で最も大切なことは、節約することでも投資で大きなリターンを上げることでもなく、あなた自身が働いてお金を稼ぐことです。
なぜなら、多くの人にとって人的資本の価値の方が金融資本の価値よりもずっと大きいからです。
そもそも、人的資本とは個人が持つ知識やスキルを資本と捉えた概念で、労働市場におけるあなた自身の価値のことです。
その一方で、金融資本とはあなたが保有する現金や株式などの価値のことです。
一般的なサラリーマンの人的資本の価値は2億~3億円ですから、ざっくり言うと年収400万~600万円のサラリーマンは、2億~3億円の人的資本を労働市場で2%くらいで運用していることを意味します。
その一方で、サラリーマンが保有する金融資本はせいぜい数百万円程度ですから、ほとんどの人にとって金融資本よりも人的資本の方がはるかに大きいのです。
なぜ、人的資本にそれだけの価値があるのかというと、それは両親や学校、社会があなたに多額の投資をして、価値を高めてくれたからに他なりません。
そして、人的資本の価値はあなたの努力と運次第でさらに高めることができますから、金融資本を育てるよりもよっぽど効率が良いのです。
毎月数万円で言葉を失うほどの格差が
しかし、多くの人は給料を数万円でも上げることが、どれだけ資産形成に大きなインパクトを与えるか気づいていないため、節約や投資よりもないがしろにしがちです。
たとえば、次のグラフは手取り収入別の生活費と貯蓄・投資額を表したものになります。
手取り収入23万円、生活費20万円、貯蓄2万円とした場合、投資に回せるお金は1万円になります。
生活費と貯蓄額を変えずに、手取り収入を30%(7万円)増やすだけで、投資に回せるお金は8万円と8倍も大きくなります。
これは資産形成のスピードが8倍も早くなることを意味しますから、前者が40年かけて得られる成果を、後者はたった5年で得られる計算になります。
さらに、後者が2万円の節約を実践して、投資に回せるお金を10万円にした場合、前者が40年かけて得られる成果を、わずか4年で得られる計算になります。
そして、これに複利の効果が加われば、その差は時間の経過とともに言葉を失うほど拡大してしまいます。
たとえば、毎月1万円の積立投資を、年率平均5%で40年間運用した場合、最終資産額は約1490万円になりますが、毎月10万円の積立投資なら、最終資産額は約1億4900万円にもなります。
このように、世の中で目の当たりにする言葉を失うほどの格差とは、わずかな収入の差と、わずかな節約の差によってもたらされるのです。
(本稿は、『投資の教室 人生を変えるマネーマシンのつくり方』を抜粋、再構成したものです)
バフェット太郎(ばふぇっと・たろう)
投資に役立つ世界の重要な経済ニュースを厳選し、独自の視点からわかりやすく解説する、登録者数50万人のYouTubeチャンネル「バフェット太郎の投資チャンネル」管理人。冷徹な市場分析と鋭い舌鋒で、次々と予想を的中させる投資系インフルエンサー。Xフォロワー35万人。noteフォロワー1.4万人。
個人投資家としては、20代から投資を始め、数百冊の投資本をむさぼり読み、10年間さまざまな試行錯誤を積み重ね、米国株投資にたどり着く。ブロガー・YouTuber活動と並行して堅実な投資を続け、それから数年で数億円の金融資産を築く。
著書に『投資の教室 人生を変えるマネーマシンのつくり方』(ダイヤモンド社)、累計20万部のロングセラー『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』(ぱる出版)がある。
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