マサチューセッツ工科大学マサチューセッツ工科大学 Photo:PIXTA

世界のAIトップ大学ランキング
1位はMIT、約3分の1が米英

 イギリスの高等教育評価機関であるクアクアレリ・シモンズ社(以下QS)が2025年6月19日に公表した大学の世界ランキングには、「データサイエンスとAI」という分野のランキングが掲載されている(注)。

 これによると、世界第1位は、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)だ。以下、第2位カーネギー・メロン大学、第3位オックスフォード大学、第4位カリフォルニア大学バークレー校、第5位南洋理工大学(シンガポール)、第6位ハーバード大学、第7位シンガポール国立大学、第8位ETH(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)、第9位エール大学、第10位トロント大学となっている。

 第50位までには、アメリカの大学が16校、イギリスの大学が5校ある。上位100位までを見ると、アメリカが23校、イギリスが12校だ。これらを合計すると35校となり、全体の3分の1以上を占める。

 このように国別で見ると、アメリカとイギリスの比重が極めて高い。

 製造業中心時代の大国であったドイツ、フランス、韓国、日本の大学の比率が極めて低い。ドイツ、韓国は上位100校中に1校も入っておらず、日本は上位50校にはゼロ、上位100校中に辛うじて東京大学が入るだけだ。

 製造業中心の産業構造から新しい時代の産業構造に転換しつつあるなかで、大学など高等教育機関のAI教育・研究の充実度の差を如実に示すものだ。

 このままでは将来の日本のAI力や経済力は大きく立ち遅れる。