どうかこの点を誤解しないでください。厳密さより明解さ重視で構築してあるため、「ファスト」思考レベルでも十分に読めてしまいます。実践についても、「紙1枚」書くといった文字面(づら)だけを見れば、いかにもショート・カットできそうだと感じてしまうでしょう。
だからといって、「システム1」だけで終えた人は、おそらく読後に何もしてくれないはずです。消費の対象として捉えてしまったら最後、実践は言うに及ばず、理解した内容もほとんど全て忘れてしまうでしょう。
逆に、「めんどくさい」思考や「深める」思考、「没頭」思考を鍛えるつもりで付き合ってくれるのであれば、読後に手を動かし、実際に「紙1枚」を書いていけるはずです。
良薬は、取り扱いを誤ると毒薬にもなり得ます。この処方せんを、「とびつき」思考や「浅い」思考、「茫然」思考をさらに加速するために使ってしまうのか。
それとも、「めんどくさい」思考や「深める」思考、「没頭」思考を改善するために役立てるのか。あなたが、後者を選択してくれることを切に願っています。
「紙1枚」にまとめる読書法、興味は湧いてきたでしょうか。