2010年代は、
「紙1枚」書く「だけ」だったら、いいと思いませんか?
といった言い方をし、それで誰もが「そうですね」と反応してくれる時代でした。一方、今はもう令和です。デジタル全盛の現在は、
「紙1枚」書くこと「すら」、面倒だと感じられてしまう時代
だからこそ、私は今回、「なぜ、めんどくさいことを回避してばかりいるとまずいのか」について肚(はら)落ちしてもらうところから、スタートしました。ここでの読書体験自体を、あなたの「ファスト/スロー」度合いの体感機会にしてほしかったからです。実際、どんな気づきがあったでしょうか。
もし、「このままだと、何もかもプロセス・カットした底の浅い茫然自失人間に堕落してしまいそうです……大して何にも没頭できないまま、読書ライフも人生自体も終わってしまいかねません……どうにかしてファストでない読書、深めていける思考回路を取り戻していきたいです」と感じてくれたのであれば……。
そんなあなたに向けて、次のような提案をしたいのです。
まずは、「紙1枚」書くこと「くらい」から、「スロー」思考を再稼働しませんか?
「深める」読書をするために、そこまでは最短距離で
ここで学ぶ「紙1枚」にまとめる読書法は、決して「システム1」を強化する技術ではありません。敢えてややこしい書き方をすると、
「めんどくさい」思考を鍛えられる、最も「めんどくさくない」読書法
大変であれば何でも良いわけではありません。淡々と、有効な動作を積上げていく。ただし、時間的にも体力的にもリソースが限られる以上、できるだけ「意味のある努力」を選択しなければなりません。
この本に懸けてもらう価値があるとしたら、それは「どうやって実践するか、身につけるか」、すなわち「読後の努力への眼差(まなざ)し、手厚いケア」の部分です。
「スロー」思考を働かせるためには、「やる気や根気などの熱気=エネルギー」が欠かせません。そこで、実践時に没頭できるよう、その前段階である「あとはやるだけ」となるところまでは、トコトン最短距離を追求しました。