2024年に変わった日本経済
2025年の日本株相は明るいか
2025年の日本株相場は環境が変わる年になるかもしれない。
2012年からの日本株相場での上昇の背景には、マイナス金利政策といった異次元の金融緩和による円安と企業の海外進出による海外子会社の収益拡大があった。しかし一方で日本経済は失われた25年が続いていた。
しかし、2024年から輸入物価の上昇を起点とするコストプッシュ型のインフレが始まり、それを受けて賃金上昇による物価上昇が起き始め、名目でみた日本経済は拡大が始まった。企業収益の拡大は、これまで米国を中心とする海外経済に依存する部分が大きかったが、これからは国内経済の拡大にけん引されるかもしれない。
そのシナリオ通りいけば、2025年の日本株相場は明るいが、これまでグローバルに株価を押し上げてきた米国経済に不安が高まっている。しかも複雑だ。
日本銀行は、日本経済に影響を与える米国経済について、2022~23年の急速な利上げの影響がラグを伴って経済活動を押し下げる可能性と、今後の景気展開や政策運営などを受けたインフレ再燃という逆方向のリスクを挙げている。
その見方は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長においても同様だ。パウエル議長は「インフレ低下に自信を持っている」と言う一方で、「インフレをめぐるリスクや不確実性がより高まる。」としている。