松本氏が5億5000万円もの大金を損害賠償として訴えると聞いて、そこまで言うなら勝算があるのだろうと感じた人は多いはずだ。しかし今回のインタビューからは、そうではないのではないかという様子がうかがえる。

 昔から報道への憤り、正義感があり、「これはなんとかしなければいけない」と思ったと語っている。実際、人気タレントとして長年メディアに露出する中で、自分や仲間に対する報道に憤りを覚えたことは今回のみならずあるのだろう。

 しかし松本氏が訴えた文春は、これまでも芸能人への報道で何度も訴訟沙汰となっている。中には文春が負けているケースもあるが、裁判が終わるまでテレビに出ないという選択肢が自分の首を絞めてしまうのであれば、それだけでも避けた方が良かったはずだ。

 訴訟取り下げが報じられた際には、ネット上では「これは松本氏側の勝ちだ」と言う人まで現れたが、インタビューのトーンを見ても、そのようには受け取れない。訴訟取り下げ時と同じくインタビューでは「物的証拠がない」ことが強調されているが、そもそも明確な証拠があるならば刑事事件化している可能性が高いので、そこを今さら気にしている人は熱心なファン以外はいないのではないか。

『ダウンタウンチャンネル(仮)』
はファンの囲い込みに成功するか

 今後の活動については、『ダウンタウンチャンネル(仮)』を立ち上げると説明している。「月にいくらか払っていただいて、プラットフォームも独自に作って、見たい人に見てもらいたいものを直接届ける」といい、これは有料課金の動画サイトを立ち上げるということなのだろうか。

 松本氏はこの騒動の前から、コメントが切り取られることでの批判に辟易し、それが理由で『ワイドナショー』を降板している。週刊文春の報道以前から、ネット上での意見には耐えられなくなっていたのだろう。