完治させたければ手術を、
のウソ
病院では、一時的な治療をしばらく続けていても改善しない場合は、手術が検討されます。手術と聞けば、患者さんはかなり躊躇するはずです。
しかし、残念ながらつらい手術をして腰痛が100%完治するかと聞かれたら、NOと答えるしかありません。
一大決心で手術に挑み、そこで合併症も起こることなく無事に終わった。それで治るのならいいのですが、手術をしてもまだ痛みがあるという状態になると、患者さんのショックは計り知れません。
背骨にボルトを入れたり、両脇にプレートを入れてビスで留めたり、という大がかりな処置をしたにもかかわらず、結局は腰痛が完治しなかった、という患者さんを私はたくさん知っています。
「いつも背中に鉛が入っているという感覚があって、そこが鈍く痛むんです」という方や「足のしびれが手術前よりひどくなった」と治療にいらっしゃる方もいます。
このように手術をしても再発するケースは、当院を例にとると女性のほうが多い傾向にあります。女性は男性に比べ、筋力も骨も弱いというのが理由ですが、加齢とともに骨がスカスカになり、それが再発の要因になる場合もあるのです。
そんな患者さんの一例をご紹介いたしましょう。