SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。「学校名公開!SAPIX広報が教える『評判以上に満足度が高い中高一貫男子校4選』」で取り上げた中高一貫校を4本連続で紹介する。第2回は海城中学高等学校。過去の詰め込み教育の反省から、近年では「書かせる」教育を重視している同校。広野先生が「すごい」と絶賛する2021年に竣工したサイエンスセンターでは、「本物を見せる」教育で子どもの好奇心を刺激する。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
「東大で卒業生の留年率1位」
不名誉な過去も学校説明会で伝える
――保護者目線で見る「満足度の高い学校」として、前回は「紳士たれ」を校訓とする聖光学院を挙げて頂きました。今回はどちらになりますか?
※「紳士」繋がりで海城にしましょう。(※海城の教育理念はリベラルでフェアな精神を持つ「新しい紳士の育成」)
海城も聖光と同じでシステマティックに教育します。個々の先生が個人的な創意工夫で頑張るというより、30年後にどんな学校が必要とされるのか、そのために学校がどう進化していくのが望ましいかということを学校全体で話し合っています。
時代に合わせて、常に学校を作り変えてきたという歴史があるのです。
それを象徴するのが、学校説明会です。「かつて東大生の中で留年率が一番高いのが海城の卒業生であった」という話から始まります。