SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。「学校名公開!SAPIX広報が教える『評判以上に満足度が高い中高一貫女子校4選』」で取り上げた中高一貫校を4本連続で紹介する。第3回はフェリス女学院。「もうちょっと勉強のこと言えば?」と広野先生が思わず心配になるほど、学校説明会では「宗教教育の理念」を語るという。近年、フェリスを選択しない家庭が増えている原因も教えてくれた。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
フェリスの学校行事は
どこにも先生の姿がない
――前回は豊島岡、前々回は桜蔭と東京の無宗教校を紹介していただきました。宗教校で「満足度が高い」学校はありますか。
では、プロテスタント系キリスト教学校(ミッションスクール)であるフェリス女学院をご紹介しましょう。大きく分けると、キリスト教系のミッションスクールにはカトリックとプロテスタントがあります。
両者の違いは、カトリック校が校内にマリア像や宗教的装飾が多くあるのに対して、プロテスタント校の校舎は比較的簡素であることです。校舎の雰囲気は違っても、宗教教育の時間を大切にしている点は同じです。
礼拝を強制されるわけではありませんが、お祈りの時間をはじめ、教育のあらゆるところにキリスト教の考え方や聖書の教えが根付いているわけです。クリスマスなどの宗教行事も盛んですし、音楽の授業では讃美歌も歌います。こうした点は、無宗教の学校とは大きく異なりますから、キリスト教の学校が提供する教育を理解したうえで進学しなければなりません。