人生は変化の連続だ。それでも「変わりたくない」と抵抗する自分に疲れたり、不安を抱えた経験はないだろうか。そんなあなたに米国ベストセラーの話題作『Master of Change 変わりつづける人 最新研究が実証する最強の生存戦略』(ブラッド・スタルバーグ著、福井久美子訳)をおすすめしたい。変化に適応する新しい生き方のモデルを提示した刺激的な1冊だ。本書より一部を抜粋して紹介する。
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適応能力が高い人は絶対にしない4つの言動
環境の変化を快く思えないのは、長い間に染みついたバイアスのせいだ。ほとんどの人や組織は変化に直面すると、次のいずれかの反応をしてしまう。
1. 変化に抵抗する、変化を認めようとしない
周囲で起きていることから我が身を守ろうとし、時には変化を全否定するような行動を取ってしまう。
2. 変化を断固として拒否する
変化を阻止しようとする。たとえ圧倒的な勢いで降りかかってくる避けられない変化であっても、あらゆる手段を講じて変化を押し戻そうとする。
3. 主体性を放棄する
変化をたまたま自分に起きたこととして受動的に捉えて、状況のコントロールを放棄してしまう。
4. かつての状態に戻ろうとする
過去と現在の状況を比べ、過去にうまくいった行動や振る舞いに戻ろうとする。
例えばこんな人、こんな組織
・問題の解決に取り組もうともせずにあきらめてしまう人
・不安を感じながらも、物事はこういうものだと自分に言い聞かせて助けを求めない人
・衰退産業で職を失ったにもかかわらず、同じ業界の別の会社に転職したいと望む人
・新たな人間関係と旧友とを比べようとする人
・デジタル型のビジネスモデルに移行できない組織
・現実を直視するのが嫌で都合の良いデータだけを選ぶ組織
自分自身、あるいは職場や家族、コミュニティを見渡せば、同じような傾向が見つかるのではないだろうか。
個人的な問題であれ、社会的な問題であれ、多くの問題は変化に抵抗することで生じる。変化を拒むと、一時的には快適かもしれないが、長期的にはうまくいかなくなる可能性が高いだろう。
※本稿は『Master of Change 変わりつづける人』の内容を一部抜粋・編集したものです。