2022年初め、カナダの政界は「フリーダム・コンボイ」と呼ばれる抗議活動を非難する姿勢でほぼ一致していた。このデモでは、新型コロナウイルスワクチンの接種義務化に反対するトラック運転手らが首都オタワへの輸送ルートを遮断した。だが、野党・保守党のピエール・ポワリエーブル氏の姿勢は政界の大勢とは異なっていた。ポワリエーブル氏(45)はカナダの主流派政治家とは一線を画し、トラック運転手らを支持した。同氏はロックダウン(都市封鎖)やワクチン、マスク着用義務などを巡る運転手らの反発に乗じ、ジャスティン・トルドー首相は尊大なエリート主義者であり、庶民感覚から乖離(かいり)しているとの主張を展開した。こうした批判は、トルドー氏が6日に辞任の意向を表明するまで続いた。