20万部を突破し、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリに輝いた『佐久間宣行のずるい仕事術』。その刊行から2年、著者でテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を上梓しました。上司の悩みの裏には部下の悩みが潜んでいます(逆もしかり)。しかし、「上司は部下の」「部下は上司の」気持ちはわからないものです。そこで本書は上司と部下、それぞれの気持ちを解説しつつアドバイスをする1冊となっています。
今回は、本書の刊行記念イベントより、佐久間さんとお笑い芸人の銀シャリ・橋本直さんが読者からのお悩みに答えたコーナーの模様を、ダイジェストでお届けします。(構成/ダイヤモンド社コンテンツビジネス部)
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Q. 50代になり、衰えを感じます
質問者:50代女性
――50代になり、体力的にも精神的にも、仕事をする能力も、20~30代より衰えたのを感じます。残り10年、どのように仕事ができるかわからず、とても不安です。
佐久間宣行(以下、佐久間) まず、50代まで働けているご自身のことを「偉い」と思った方がいいと思いませんか?
橋本直(以下、橋本) 50代になると、さすがに徹夜したりはできないですしね。
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1980年生まれ。兵庫県出身。 関西学院大学経済学部を卒業後、2005年に鰻和弘とお笑いコンビ「銀シャリ」を結成し、2016年に「M-1グランプリ」で優勝。現在はテレビやラジオ、劇場を中心に活躍し、幅広い世代から人気を得ている。2024年10月30日(水)にエッセイ「細かいところが気になりすぎて」(新潮社)を出版。
佐久間 絶対できない。だから、50代を超えたら、自分のメンタルと体力が削られない働き方を最優先にすべきだと僕は思ってて。
橋本 自分の限界をきちんと認識すれば、そこから逆算して「これくらいなら働いて大丈夫」「これ以上無理するとヤバい」みたいに、適度な働き方を見つけられそうですね。
佐久間 そうそう。あと、ご質問された方の「不安」というのは、たぶんいままでと同等のパフォーマンスを自分に期待することを「諦めきれない」ことに起因するような気がしたり。
でも本当は、50代になったら、諦めるべきものはきっぱり諦めて、優先順位をつけていくべきなのかもしれない。
橋本 僕は20代のころ、自分の失敗の原因分析みたいなのを、頭の中で延々と考えてました。でもいまは、そんなふうに考え続ける体力がもうなくて、すぐ眠くなるんですよね。悩みすぎて疲れる前に寝ちゃうので、そういう意味では、もはや「体力が落ちてきてラッキー」くらいに思ってます。あまり悩まないですから。
佐久間 確かに若いころって、全然解決しないのにずっとグルグル考えてたよね。
橋本 そうなんですよ。なのに、それがどんな悩みだったか、いま思い出そうとしても全然覚えていないっていう(笑)。
佐久間 そんなもんだよね。あと別観点でもう1ついうと、不安を抱えていること自体は決して悪いことではないと僕は思っていて。というのも、不安という感情があるからこそ、何かアクションを起こしたり、現状を変えたりするモチベーションが生まれるものだと思うから。
だから「不安を感じている=人間として正しい状態」なんだとポジティブに考えてみるのも一手。そうすれば、不安が余計なストレスに転化しなくなって、気持ちが楽になるんじゃないだろうか。
(本稿は、新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』刊行記念イベントのダイジェスト記事です)