20万部を突破し、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリに輝いた『佐久間宣行のずるい仕事術』。その刊行から2年、著者でテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を上梓しました。上司の悩みの裏には部下の悩みが潜んでいます(逆もしかり)。しかし、「上司は部下の」「部下は上司の」気持ちはわからないものです。そこで本書は上司と部下、それぞれの気持ちを解説しつつアドバイスをする1冊となっています。
今回は、本書の刊行記念イベントのお悩み相談コーナーの模様を、ダイジェストでお届けします。職場の人間関係やメンタルのコツ、転職に役立つノウハウなどにまつわる佐久間さんのアドバイスを、ぜひ参考にしてみてください。(構成/ダイヤモンド社コンテンツビジネス部)

職場によくいる「不機嫌を顔に出す人」への“頭のいい接し方”ベスト1Photo:Adobe Stock

Q. 不機嫌な人と話すと疲れます

質問者:30代男性
――日によって機嫌のよしあしに波がある上司や同僚がいると、自分が気を遣って話さないといけないので、とても疲れます。このような人を相手にするとき、佐久間さんはどのような心持ちで接するようにしていますか?

佐久間さんの回答①
 気分に波がある人は珍しくないですし、常に不機嫌な人もいます。なので、僕は基本的に、「みんな機嫌が悪くて当然だ」という想定で、どんな人に対してもなるべく丁重な接し方をするようにしています。

 ある芸人のマネージャーさんから、「若手に対して、どうしてそんなに低姿勢なんですか?」と聞かれたこともありますが、僕からすると、誰がどのポイントで怒り出すかわからないので、年齢にかかわらず全員に対して丁寧な態度をとるのが最適解なんです。

 この接し方は、気難しい人が少なくない職場では、かなり効果的かもしれません。

「不機嫌を顔に出す人」への賢い接し方

佐久間さんの回答②
 話しかけるときの前準備としては、「その人が大事にしている仕事は何か」をちゃんと考えておくことが大事です。その上で、僕は、相手が取り組んでいることの中で、「一番いい仕事だな」と思う仕事の話から会話を始めるようにしています。

 この話し方を実践するようになってから、相手の機嫌を損ねてコミュニケーションに失敗するようなことはなくなりましたね。

 あとは、相手の機嫌が悪かったときに、それに対して「うわっ」という拒否反応が顔に出ないように気をつけた方がいいです。これは確実に相手に伝わって、コミュニケーションがぎくしゃくする原因になるので、相手の機嫌の良し悪しを「気にしない習慣」を身につけるのも大切です。

 「不機嫌な人」というのは、自分の感情をわざと表に出すことで、相手をコントロールしようとする傾向があります。でも、相手がそれに対して反応しない、気にしない人だとわかると「この人に不機嫌にふるまっても意味がないな」と判断して、不機嫌モードをやめるんですよね。

 少し難易度が高いかもしれないですけど、自分のためになる対人スキルなので、ぜひ試してみてください。

(本稿は、新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』刊行記念イベントのダイジェスト記事です)