20万部を突破し、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリに輝いた『佐久間宣行のずるい仕事術』。その刊行から2年、著者でテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を上梓しました。上司の悩みの裏には部下の悩みが潜んでいます(逆もしかり)。しかし、「上司は部下の」「部下は上司の」気持ちはわからないものです。そこで本書は上司と部下、それぞれの気持ちを解説しつつアドバイスをする1冊となっています。
今回は、本書の刊行記念イベントのお悩み相談コーナーの模様を、ダイジェストでお届けします。職場の人間関係やメンタルのコツ、転職に役立つノウハウなどにまつわる佐久間さんのアドバイスを、ぜひ参考にしてみてください。(構成/ダイヤモンド社コンテンツビジネス部)
![部下のやる気が感じられないとき、仕事ができない上司は「叱咤激励する」。では、できる上司は?](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/650/img_d65a245f6d8b72d22861c3d1196c25493179009.jpg)
Q. 「やりたいことがない若者」への接し方に困っています
質問者:30代男性
――「何者かになりたいけど、やりたいことはなく、ゆえに努力もしたくない」という若手社員に対して、どのように接していくべきでしょうか?
佐久間さんの回答①
2つの考え方があると思います。1つめは、若手に対して「やりたいことがなく、努力しようとしない」と早急に決めつけない方がいいということです。
確かに、やりたいことがないように見えるし、実際そういう言動をしているかもしれません。でもそれは、あくまで表層面でのこと。もしかすると内心は、まだ自信がないから、そうふるまっているだけかもしれないんですよね。
僕は実際、本当はそう思っていないのに、「何者かになりたいけど、やりたいことはない。だから努力しないんだ」みたいなことを言って、ポーズをとろうとする若者を何人も見てきました。彼らは傷つきやすいがゆえに、そういう態度をとりがちなんです。
なので、若い人たちは「やりたいことの見つけ方」や「努力する方法」がまだわかっていないだけだと考えて、それに対する自分なりの意見を率直に伝えてあげるといいと思います。
もちろん、それを伝えたうえで、どう行動するかは本人しだいです。彼ら自身の人生なので、強制してはいけない。でも、自分が知っているキャリアの作り方はきちんと提示する。そういうスタンスが大事な気がします。
「いまのままだと将来どうなるか」をはっきり伝える
佐久間さんの回答②
もう1つは、実際にその若手社員が、「やりたいことがなく、努力する気がない人」だった場合です。そんなときは、いまの仕事のやり方を続けると、将来的な伸びしろがどの程度になるかというのを、嘘をつかずにはっきり言った方がいいと思います。
僕の周りだと、30〜40代でいい仕事をしている人ほど、やっぱり若いうちにがむしゃらに頑張った経験があるんですよね。20代のときに「自分の限界」と向き合って仕事に取り組んだ人の方が、30代以降に面白い仕事を楽しそうにやっています。
ちなみに僕は、AD全員に「2年目までは全員辞めると思って接するからね。『辞めなかったらラッキー』くらいに思ってるから、辞めても怒らないよ」とざっくばらんに伝えています。そうすると、若者って意外に辞めないんですよね。むしろ、「絶対辞めるなよ」と念押しした方が辞めていきます。
有望な人に対しても、「全員辞めると思って接してるから、弱音は吐いていいし、休みたいときは休んでいいよ。そのかわり、現時点ではそんなに期待もしていないから」と正直に言うようにしています。
こういう接し方が、僕がいまの若い世代とうまく付き合えている理由なのかなと思います。自分の主張を押しつけたり、叱咤激励してはっぱをかけたりしないのが重要なポイントなのかもしれないですね。
(本稿は、新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』刊行記念イベントのダイジェスト記事です)