「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

手段としての「感情コントロール」
「感情コントロール」は優秀なビジネスパーソンにとって重要です。
私は脳科学や精神医学の専門家ではありませんが、「感情コントロール」は識学において重要なので、参考までに押さえておいてください。
反対意見を言われると、つい感情が出てしまいますよね。
もしくは、目の前で後輩を指導していると、つい説教したくなる。
そこでの判断は、間違える可能性が高い。
だったら、できることは一つしかありません。
いたってシンプルですが、「クールダウンする」ということです。
「15分、30分、1時間……。1人きりで考える時間を作る」ということです。
原始的ですが、それしか方法はありません。
人には「サボる性質」がある
判断の質を高めるためには、冷静になってから理性で考えるしかない。
そして、論理的に判断するのです。
ゆっくりと冷静に決める。ただそれだけです。
それだけで決断の質は高まるのです。
しかし、かといって一人時間が多すぎるのも問題です。感情と話を絡めると、そもそも人には放っておくとサボる性質があるからです。
だから私は、「マネジメント(管理)」を推奨しています。
巷では、「管理職は必要ない」ということが言われますが、これには反対です。
お金は、「管理」しなければ、使ってしまいます。
勉強は、「管理」しなければ、先延ばしします。
仕事は、「管理」しなければ、手を抜いてしまいます。
何事も、「管理」が先にある。
それが習慣化すれば、徐々に管理が必要でなくなっていくことはあります。
しかし、逆はあり得ない。その順番なのです。
「完全フルリモートじゃないと働けない」という若者が増えていると言います。
彼らは、この先、絶対に成長が止まります。
なぜなら、管理されることへの耐性がなく、感情コントロールも身につかないからです。
感情的な人間を、社会で「理性」によってコントロールする。
その方法を味方につけるしかありません。
一呼吸を置くということ
重大な意思決定をするときは、その前に一呼吸、「自分の感情を整理すること」をしましょう。
「お腹が空いていたら、イライラします」
「家族の問題が起こっていたら、モヤモヤします」
「仕事に追われていたら、あたふたします」……
「ここぞ」という大きな意思決定のときには、そういう状況をなくしておかないといけません。
そういったストレスがないことを確認して、日々の仕事に取り組むようにしてください。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。