「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「華麗なる修正」をやってみる
ビジネスにおいて、「修正」をいかに華麗にできるかどうかが成功のカギを握っています。
というのも、組織の中で、「惰性で続けていること」がないでしょうか。
それを、リーダー自身の意思決定によって、やめることができるかどうか。
たとえば、営業において、毎週、月曜の週次会議と金曜の情報共有の会議を設定しているとします。
そこでの課題として、チームでの営業の提案数と獲得数が伸びない。
メンバーからの情報として、
「金曜はアポが集中するから会議が邪魔になる」
「情報共有の会議は、会議のための会議になっているように感じる」
という情報があげられたとします。
ここでチームを運営する上での「仮説」を立てます。
もし、仮説がなければ、それは「反応をしているだけ」です。
ここでは、
「金曜日の会議をやめたら、提案数が増えて、結果的に獲得数が上がるのではないか?」
という仮説を立てたとしましょう。
それを踏まえ、金曜日の会議を廃止するとします。
その際は、
「金曜日の情報共有の会議を廃止します。その代わり、翌週の月曜の週次会議で必要な情報共有をするように」
と堂々と伝えることが求められます。
堂々と修正ができるか?
もしかすると、一部のメンバーからは、
「金曜の報告が習慣になっているので続けたい」
というネガティブな意見が出るかもしれません。
しかし、過去に決めた「形骸化したルールがある」と思うのなら、それを壊す必要があるのです。
「パーフェクトな意思決定」というのは、そうやって変化に対応していくことが前提となります。
だから、「前言撤回」という言葉を当然としましょう。
「過去のルールは撤廃します」
と、リーダーが堂々と言うことが求められますし、それを言われたメンバーも受け入れないといけないのです。
というように、惰性でおこなっている「コミュニケーションのムダ」が、あなたの職場にもないでしょうか。
よくあるのが、
「メッセージツールでの上司と部下の連絡において、やりとりが多くなりすぎる」
というものです。
お互いの連絡で「丁寧な文章で返事しないといけない」というタスクが多く発生していないでしょうか。
現場から、「お互いの連絡に時間がかかりすぎている」というような事実が情報共有されたとします。
それを受け入れられるでしょうか。
ここでの差が、仕事の成果になって表れてきます。
たとえば、
「承知したときはスタンプでOK」
「定期的な連絡に関しては、定型フォーム化する」
ということを意思決定できるかもしれません。
信頼できるリーダーとは?
そうやって、現場の情報に基づいて、必要なものに関しては、どんどん「修正」をおこなっていきましょう。
「修正する」=「成長する」ということに認知を変えることです。
組織内では「一度めの失敗を許容」する。
その態度を、積極的にリーダーが取っていくことです。
それができない人は、信頼できないリーダーです。
朝令暮改として、「修正」できるかどうか。それがリーダーを見極めるポイントです。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。