「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

仕事が全くできない人は「多数決」や「特定の個人の意見」を重視する。じゃあ、仕事ができる人は?Photo: Adobe Stock

「声の大きい人」を認めない

 仕事ができる人は、情報を集めて「意思決定」をすることができます。

 そのとき、ちゃんと「情報」を見極めることが大事です。
 では、どのような「情報」に気をつければいいのでしょうか。

「トップ営業のAさんが言っている」

 というように、「特定の個人の意見」を持ち出されたときにも注意です。
 権威性を持たせて、そのような情報を言いたくなる気持ちもわかります。

 ただ、他人の意見は「感想」であって、「情報」ではありません
 もちろん、そのAさんの意見にデータや根拠などの「事実」があるのなら、話は別です。

 その場合も、「Aさん」という人ではなく、「事実」を見ること。
 ただ声の大きい人の存在を認めないこと。それが大事です。

「多数決」にも要注意

「多数決」についても、慎重に扱うべきです。

 学校のことを思い浮かべてください。
 授業をすべきか、外で遊ぶべきか。それを子どもたちに聞いたらどうなるでしょう。

 おそらく、「遊びたい」となってしまいます。
 そこに先生が介入し、責任を持って「授業をする」ということを決める必要があるのです。

 いわゆるバイアスのように、物事には、さまざまな捉え方があります
 その人の「主観」が絡んできます

 たとえば、「仕事がしんどい」という人を見て、「よし、じゃあ辞めていいよ」と、決めることは優しさなのでしょうか。違いますよね。

 その「しんどい」が、どういう事実なのかを確かめる必要があります。
 本人の視点、同僚の視点、上司の視点、取引先の視点……。
 そういうさまざまな視点があります。

 目標を決めて、ある程度の負荷をかけるのは、必要なことです。

 それを「しんどい」と言っているのか
 それとも、同僚との人間関係によって「しんどい」と言っているのか

 社会人であれば、言語化は必要です。
 どういう「しんどさ」や「キツさ」があるのか、その「事実」をあげなくてはいけない。
 そうした事実が意思決定の判断材料となるのです

 仕事ができる人は、そうやって「情報」の正しさを確かめる姿勢を崩しません

(本稿は、パーフェクトな意思決定の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。