イスラエルとイスラム組織ハマスが15日発表した停戦と人質に関する合意は、悪いディール(取引)だ。さらに悪いことに、この合意は不適切なタイミング、不利な条件下でなされた。合意によれば、2023年10月7日にハマスがイスラエルから拉致した人質のうち三十数人が家族の元に返される。これは朗報だが、その結果ハマスが生き延びるというのは、あまりにも法外な代償だ。イスラエルとドナルド・トランプ次期大統領があと数日待っていれば、もっと条件の良い取引も可能になり、それで合意できていたかもしれない。トランプ氏が1月20日の就任前の最終合意を求めたことで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は現在の枠組みを受け入れるよう圧力をかけられた。ネタニヤフ氏が、トランプ氏の中東特使であるスティーブ・ウィトコフ氏に対し、より有利な合意の形成に向けて待つよう説得を試みたかどうかは分からないが、待てば条件が改善された可能性が高いのは明らかだ。