日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々は、今日で終わりです。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。それを可能にしたのが、『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』です。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書では、限りなく「ホワイト」で徹底的に磨かれたノウハウを網羅していますが、本連載の今回からは本の性格上、収録しなかった禁断のテクニックを紹介する。使うか使わないかは、自己の判断に任せます。

気づいたら孤立していた。周りが離れていく人の「ざんねんすぎる行動」Photo: Adobe Stock

人が離れていく人の共通点とは?

 職場やプライベートで「なんとなく人が離れていくな」と感じる人、いませんか? 目立ったトラブルがなくても、気づけば孤立してしまう――そんな状況にはある共通点があります。それは、「見返りを求めるクセがある」ということです。

見返りを求めるクセが孤立を招く理由

「与えたら返してもらえるべき」という考え方自体はよくあるものですが、それが行動や言葉に頻繁に表れると、相手に負担感を与えます。特に無意識に見返りを求めてしまっている場合、なかなか本人では気づきにくいものです。

 たとえば、こんな一言です。

「誕生日おめでとう! これ、プレゼント。私は来月だからね

 本人は軽い冗談のつもりでも、相手には「返さなければならない」というプレッシャーを感じさせることがあります。これが繰り返されると、相手は「またか……」と感じ、次第に距離を取るようになってしまいます。

 心理学に「心理的リアクタンス」という現象があります。これは「自由を制限される」と感じると、それに反発したくなる心理的な反応です。交換条件が暗黙のルールのように感じられると、相手は無意識に「なんとなく嫌だ」と思うようになってしまうのです。

まだまだある、よくありがちな「残念なひと言」

 さらに、例を挙げてみましょう。どれも些細な行動ですが、頻繁に繰り返されると相手にとって大きな負担になるひと言がこちらです。

「今回はあなたに譲るよ。次は頼むね

 一見譲歩しているようで、「次は」と条件付きであることを示しています。

「トイレ掃除はやっとくから、洗い物お願い

 家事や雑務を分担する際に、交換条件を持ち出すことでも相手にプレッシャーを与えます。

「これだけ頑張っているんですから、ちょっとは褒めてくださいよ

 努力を認めてもらいたい気持ちは理解できますが、あからさまに見返りを求めると逆効果になりがちです。

 こうした言動は、普段の会話ではさほど問題にならないこともありますが、場面によっては大きな影響を及ぼしてしまいます。仕事の場面で「これだけやったんだから評価してほしい」といった態度を取ると、周囲から「自分のことばかり考えている」と思われるリスクがあります。

 小さな不快感が積み重なると、最終的には相手が距離を置くようになり、孤立を招く結果になってしまうのです。

 では、どうすればいいでしょうか。ポイントは、あなたの「ギブ」に「テイク」をセットにしないことです。見返りを期待せず、「純粋に相手のために与える」というスタンスを取ることで、相手は自然と「返したい」と思うようになります。

 相手に対して「返してもらわなくてもいい」という心構えを持つことで、相手の負担感を軽減できます。相手に何かをしてもらったときは、「ありがとう」の一言を心がけ、見返りを求める言葉を意識的に控えるようにしましょう。この積み重ねが、相手にプレッシャーを与えず、むしろ「この人のために動きたい」という気持ちを引き出せるのです。

人が離れない人間関係の作り方

 無意識の孤立を防ぐためには、相手に与える行動の裏側にある「見返りを求めるクセ」を見直すことが重要です。普段は何気ない行動でも、それが相手にとって負担になる場合があることを意識してみてください。

「ギブアンドテイク」ではなく、「ギブだけ」で終わらせる行動を増やすことで、信頼や好意が自然と生まれ、人間関係が良好になるはずです。今後、誰かに何かをする際には、「返してほしい」と思わずに「喜んでもらえたらそれでいい」と考えてみてください。その積み重ねが、人を惹きつける魅力につながります!

 見返りを求めるクセが孤立を招くことを紹介しましたが、もっと人間関係を良好にしたいときは『「8秒」で人の心をつかむ技術』がおすすめ。トップセールスのワザと、メンタリズムのノウハウを掛け合わせた最強のコミュニケーションスキル。自分の思い描くゴールに向けて相手を導き、いい人間関係を作っていきましょう。

(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』著者の書下ろしです。)