ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。
4つの否定ワードを共感ワードに変換する
メンタリストが会話上手といわれる一番の理由は、相手の話に「共感する力」があるからです。
誰しも人に承認してもらいたいという欲求(=承認欲求)を持っており、相手に共感してもらえることが一番の承認になるのです。しかし、会話の中で自分では気づかないうちに相手に不快感を与える否定ワードを使ってしまっている人も多くいます。
そんな状況は誰もが避けたいものですが、口癖になってしまっている人も多いのです。
普通に話しているつもりなのに、いつの間にか使ってしまう4つの否定ワードがあります。
・でも(否定)
・だから(決めつけ)
・だって(言い訳)
・どうせ(諦め)
4つの否定ワードを相手の発言に対して使うとネガティブな印象が強まるので、観客に好かれる必要があるメンタリストは基本的に使いません。もちろん、メンタリストでなくも、相手の意見を頭ごなしに否定しているように映る言葉は控えたほうがいいです。
では、どうするのか? 否定ワードを共感ワードに置き換えるだけ。
・でも → なるほど(肯定)
・だから → そうですね(客観視)
・だって → たしかに(素直さ)
・どうせ → 本当ですね(発見)
この言葉で相手の承認欲求が満たされます。
相手「私はこのように考えますが、あなたはどうですか?」
×「でも、こう考えることができますよね」
○「なるほど、その考え方は思いつきませんでした」
相手「私の不注意でご迷惑をおかけしました」
×「だから、お客様からクレームがあるんですよ」
○「そうですね。それがわかっていれば改善できますよね」
相手「今回のミスは防げたと思いませんか?」
×「だって、繁忙期は余裕がないじゃないですか」
○「たしかに、余裕を持って対応すれば防げました」
相手「こんな方法もあると思いますよ!」
×「どうせ、我々には無理ですよ」
○「本当ですね。私もその方法に賛成です」
このように、相手の言葉を否定せずに共感ワードに置き換えるだけで、自分自身も前向きな思考になります。さらに、「驚きの感情」を足すことで共感の印象が強化されます。
「なるほど! その考え方は思いつきませんでした!」
「そうですね! それがわかっていれば改善できますよね!」
「たしかに! 余裕を持って対応すれば防げました!」
「本当ですね! 私もその方法に賛成です!」
相手の言葉に対する驚きの感情は、相手の承認欲求をかなり満たします。相手が自分と違う意見を言ったとしても、まずは共感します。タイミングをずらして自分の意見を言えば、それが反対意見だとしても、否定の印象はグッと薄まり、相手からの印象も抜群によくなります。
否定ワードが減るだけで、あなたが好かれる可能性もグッと上がります。
(本原稿は、日々のコミュニケーションがラクになる36のノウハウが詰まった書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)