ジョー・バイデン米大統領の幕引きの仕方は、政治家としての品位の模範になるものではなかった。15日の退任演説は残念な言動の好例で、彼が非常に多くの米国民を失望させてきた理由を浮き彫りにしている。バイデン氏は歴史書の言葉を引き合いに出し、「テック産業複合体」と新たな「寡頭政治」が、民主主義を壊して自分たちの思い通りの形に組み換えようと躍起になっていると警告した。これは、ドワイト・アイゼンハワー氏が1961年の大統領退任演説で使った「軍産複合体」という言葉を意図的に模倣したものだ。しかし、バイデン氏のこうしたフレーズが同じように好意的に思い出されることはないだろう。「米国では極端な富と権力と影響力を持つ寡頭政治が形成されつつあり、それは、われわれの民主主義全体、われわれの基本的な権利と自由、誰もが成功を目指せる公正な機会を文字通り脅かしている」。大統領執務室からの17分間の演説でバイデン氏はこう語った。