ドナルド・トランプ米大統領の就任式に先立つ数日間、米国株相場は活気を取り戻した。ただ、今年の市場に2022年の記憶が影を落とすのではないかと懸念する見方が投資家の一部にある。15日発表された米消費者物価指数(CPI)は、基調的な物価上昇圧力が和らいでいることを示唆する結果となり、S&P500種指数とダウ工業株30種平均は11月上旬以来となる高い週間上昇率を記録した。おおむね物価指標の悪化を予想するポジションを取っていた投資家は、衰えていた株価上昇の勢いを再燃させた。長期金利の指標となる米10年債利回りは低下。先週末時点で4.61%となった。その結果、年初来の株価騰落率はプラス圏に戻った。だが一部のアナリストや投資家は上昇相場復活が短期に終わるのではないかと心配する。トランプ氏のホワイトハウス復帰に伴い、同氏が掲げる高い関税や大量の移民強制送還によってインフレが再加速する恐れがあるためだ。