トランプ政権2.0の始まりは、米巨大IT企業に新たな「フレネミー(友人を装う敵)時代」の幕開けを告げている。
ジェフ・ベゾス氏とマーク・ザッカーバーグ氏はドナルド・トランプ新大統領の歓心を買おうと、これまで関係が長年冷え切っていたトランプ氏の「親友」イーロン・マスク氏に対し、融和的な姿勢を見せ始めていた。これは2人がトランプ氏の長年の怒りを逃れ、テック業界の他の企業に向けさせようとする駆け引きの一環だ。
このうわべだけの友情は最近、如実に示された。マスク氏とベゾス氏はXへの投稿を通じて、互いのロケット打ち上げについて早めのバレンタインデーのメッセージを交わした。そしてザッカーバーグ氏は、少し前までマスク氏とケージファイト(金網デスマッチ)で対決することに同意していたが、マスク氏に最大の賛辞を送った。マスク氏をまねてトランプ支持に転じ、 メタ・プラットフォームズ のファクトチェックと「多様性・公平性・包摂性(DEI)」の原則を放棄したのだ。
司会者ジョー・ローガン氏のポッドキャスト番組で「本当のマーク」と自称したフェイスブックの共同創業者は、ここ数年のマスク氏によく似た発言をした。米電気自動車(EV)大手の テスラ と宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏は「ウォークマインド・ウイルス」に反対してきた。これは多様性、公平性、包摂性など、組織を弱体化させると彼が主張する進歩的な政策を指す言葉だ。