米メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、ドナルド・トランプ次期米大統領に「リアルな(新しい)自分」を知ってほしいと考えている。
これは、変幻自在のIT経営者が一般大衆に伝えたい最新のメッセージだ。メタが危機とチャンスの瞬間を迎える中、ザッカーバーグ氏は自身をトランプ氏の友人として描き直すことに躍起となっている。
ザッカーバーグ氏は10日、トランプ氏との7週間で2度目となる会談をフロリダ州で行った。そしてメタが長年維持した多様性のルールを撤回した。事情に詳しい関係者によると、ザッカーバーグ氏がトランプ氏の私邸「マールアラーゴ」を訪れた理由の一つは、2021年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を受け、メタの運営するフェイスブックがトランプ氏のアカウントを停止したことを巡り、トランプ氏がフェイスブックとザッカーバーグ氏を訴えた裁判を和解に導くためだった。和解金などで決着する方法が検討されている。
同日には、ザッカーバーグ氏がジョー・ローガン氏のポッドキャスト番組にも出演。バイデン現政権をこき下ろし、企業リーダーシップにおける男らしさの利点を称賛した。
「われわれの社会の多くの部分がある意味、去勢かそれに近い状態だったり、軟弱になっていたりすると思う」。大統領選直前にトランプ氏支持を表明したコメディアンで人気ポッドキャスト司会者のローガン氏との対談で、ザッカーバーグ氏はこう語った。「従業員は企業経営者に冷酷な人間のように見えてほしくないのが普通だ」と彼は述べた。だが柔術の競技に出場する自分の姿をみて、従業員は「あれがリアルなマーク(・ザッカーバーグ)だ」と評価したという。