ウクライナ軍の特殊部隊チームは1月上旬、ロシア西部クルスク州の森で、負傷し一人で横たわっていた若い北朝鮮兵に近づいた。北朝鮮兵はそれに気付くと、手りゅう弾を振りかざして必死に威嚇しようとした。チームの指揮官である、グリーンというコールサインを持つ大尉は歩み出て、こうした事態に備えて少しだけ覚えた朝鮮語のフレーズで説得を試みた。「兄弟、もう大丈夫だ」と伝えようとした。北朝鮮から遠く離れたロシア西部での戦闘で数千人の北朝鮮兵が死傷しているが、その瞬間まで捕虜になった者は1人もいなかった。ウクライナ軍が提供した動画や証言内容によると、負傷後に捕虜にならないよう自軍に殺された者もいれば、投降するよりも自害を選んだ者もいた。少なくとも1人は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の名を叫んだ後、自害した。