ここ欧州の状況は厳しい。だがこれが峠だろうか?世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に集まった欧州のエリートたちは、全て順調だと何年間も主張してきた後で、何もかもがひどいという点で一致した。ドナルド・トランプ米大統領による関税の脅し、規制緩和を巡る米国の熱気、さらに長年の成長停滞が重なり、欧州の指導者は、域内企業を規制で縛り付けるのはまずいのかもしれない、と考えざるを得なくなった。あくまでも「かもしれない」だが。欧州の問題は、自らに対して行動を起こせるかどうかだ。よく知られているように、欧州では危機に見舞われた時にしか大きな変化が起きないため、有力者らは危機感をたきつけようとしている。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、スイスのスキーリゾートで開催された世界経済フォーラムで、現状を「存立に関わる」とさえ表現した。