「國學院久我山」と「日本学園」が人気化

 Cランクでは、154人で5.92倍(23年7.11倍、22年6.7倍)の國學院大學久我山[ST3回]は、志望者数1割増よりも出願状況は2割増と勢いがついており、25年は6倍を超えて7倍に迫りそうである。123人で5.86倍(23年3.75倍、22年6.82倍)の法政大学[3回]は、出願者数は1割減だったものの、出願状況は1割増のペースとなっており、25年は6倍に乗せるか。

 三つの入試区分を合わせると受験者数が100人を超える江戸川学園取手[3回]だが、志望者数は3割半減から半減とかなり厳しい状況にある。出願状況を見ると、[医科ジュニア](39人・5.57倍)が2割減ペースにあることを除くと、[東大ジュニア](29人・4.83倍)は微増に、[難関大ジュニア](33人・11.67倍)は2割増と上昇ペースに転じている。25年は、区分間格差は引き続き大きいものの、[難関大ジュニア]がどこまで倍率を上げていくか注目される。

 Dランクには3校ある。306人が受けて8.27倍(23年11.39倍、22年1.67倍)の日本学園[3回]の志望者数は4割半増、出願状況も4割増と勢いがある。25年は2桁倍率となりそうだ。いずれの入試回も緩和気味の桐蔭学園中等教育学校[3回]は、2割強減の志望者数と同様に出願ペースも落ちている。162人が受けて12.46倍(23年4.96倍、22年6.36倍)と、急速に倍率が高まったことへの反動だろう。25年に2桁倍率を維持することは難しそうである。

 日本大学[C日程]にも二つの入試区分がある。[AF]は121人が受けて6.37倍(23年6.59倍、22年8.09倍)、[GI]は29人で2.64倍(23年3倍)だった。志望者数は微減と2割半増だが、出願状況は微減で推移しており、25年はそれぞれ6倍と2倍台半ばになりそうだ。

 Eランクは2校だけで、いずれも緩和傾向にある。男子校の佼成学園[2回特別奨学生]は、179人が受けて2.56倍(23年1.46倍、22年1.55倍)で志望者数は2割弱減だったが、出願状況は微増に転じており、25年も2倍台半ばを維持しそうである。日本大学第一[2科2回]は、91人で7.58倍(23年9.46倍、22年6.29倍)となかなかの高倍率である。こちらも志望者数は2割半減だったものの、出願状況は微減にとどまっており、25年も7倍台半ばという狭き門が続きそうだ。

 Fランクの6校で、24年に100人以上の受験生を集めたのは111人で3.96倍(23年5.48倍、22年3.7倍)の日本工業大学駒場[6回]のみとなる。志望者数が5割半も増えており、25年の5倍乗せは確実とみられる。52人で6.5倍(23年7.5倍、22年4.89倍)の東海大学付属高輪台[3回]は志望者数が1割半減少しており、25年に6倍を維持できるだろうか。25年に中学が共学化して女子生徒を迎え入れる明法[3回午前](9人・3倍)は志望者数がさらに減っており、25年は何人受験するかに命運がかかることになる。

 5日午後には8校が入試を行っている。211人とこの日の受験生の4割を集めた関東学院[二期]は、8.44倍(23年10.09倍、22年6.48倍)と高倍率を保っている。志望者数は1割弱増だが、出願状況は前年並みのペースで、25年もおおむね前年並みとなりそうだ。次いで、128人が受けて8.53倍(23年10.09倍、22年14.17倍)とこちらも高倍率の明治大学付属八王子[B方式(4科総合型)]は、志望者数こそ前年並みだったものの、出願状況は大幅に減少傾向となっており、25年はさらに緩和しそうである。

 他に注目の入試回としては、Eランクで、志望者数が100人に届いた足立学園[特別奨学生5回]がある。合格者が5人だけだったため、95人で19倍(23年1.15倍)と狭き門になった。志望者数は2割弱増であり、25年の倍率は合格者を何人出すか次第なので予想は控えたい。勢いという点では、Dランクの淑徳[スーパー特進東大選抜3回]の志望者数が2割弱増で、出願状況はそれを上回るペースとなっている。41人が受けて3.73倍(23年11倍)と倍率は大きく動いているものの、25年は5倍台に乗せてもおかしくない。