日本のハイテク技術者報酬は米西海岸「3分の1以下」の低賃金、“世界最先端”から取り残される日本の大問題Photo:123RF

ソフト技術者の平均報酬4000万円超
世界最先端地域はアメリカ西海岸

 いま、世界最先端の経済活動はどこで展開されているのだろうか?

 これに関して、アメリカの転職情報サイトlevels.fyiが貴重な情報を提供してくれる。

 例えば、ソフトウエアエンジニアの報酬の平均値は、アメリカ国内で上位5位の地域別の次の通りだ(ここに示した数字はlevels.fyiが調査した報酬。1月27日時点。ストックオプション、ボーナスなどを含む。単位は千円、以下同じ)(注1)。

サンフランシスコ地域  41,547
シアトル地域      37,941
ニューヨーク市地域   29,789
サンディエゴ地域    29,005
ポートランド地域    27,594

 ニューヨーク市地域を除けば全て西海岸だ。新しい経済活動の中心は、西海岸に沿って展開していることがよく分かる。そして、IT革命の発祥地だったシリコンバレー(サンフランシスコ地域)だけでなく、北にも南にも広く広がりつつあることが分かる。

 アメリカに続くのは、欧州、さらにはアジア・オセアニア地域の都市だが、日本の都市はアジア・オセアニアの上位10位内にはどこも入っていない。世界最上位のサンフランシスコに比べれば、後述のように3分の1以下ということになる。

 これは、国全体の平均的な給与水準の違いや1人当たりGDPの違いに比べて、ずっと大きな差だ。

 そして日本が世界の最先端の経済活動から大きく取り残されているのは、これだけでない。