「周りに流されやすい子」の親が家庭で無意識にしているNG習慣写真はイメージです Photo:PIXTA

「“共感性が高い=没個性”は間違い!」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の書籍『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【「自分らしさ」を家庭で育てる3つの方法】をお届けする。

「共感性が高い=没個性」は、間違い!

「ウチの子、周りに流されやすいんです…」。こんな相談を受けることがあります。

 他者への共感性の高さは、「察する文化」がある日本では非常に役立つ能力です。

 しかし、他者へ共感(協調)しすぎてしまうために「周りに流される」、あるいは、周りに遠慮して「自己主張できずにストレスをため込む」ということが起こりやすいマイナス面も持ち合わせています。

「個性を持つこと」と「他者に共感すること」は対立するものと思われがちですが、両者は両立できます

 共感性というのは、自分らしさ(個性)を保ちながら他者に寄り添うことであり、自己を抑制して他者に従うことではありません。

 重要なのは、子育てをする親がこの違いを明確に「区別して」子どもに接することです。

 子どもの特性である「コミュニケーション力」は伸ばしつつ、必要な場面では自己主張できる。これを実現するためには、家庭で「考える力」を訓練することが大切です。

 小さい頃から自分で考え、自分で答えを見つけ、自分の言葉で伝える経験を積み重ねると、自分は何が好きで、何を大切にし、どんな人生を歩みたいのか、自己理解が深まり、アイデンティティが明確になっていきます。

 すると、周りの考えや意見を尊重しながら、自分の生き方(価値観)も曲げずに追求していける、そんな絶妙なバランス感覚を持つ人材として成長していきます。

 特に重要なのが、親子のコミュニケーションです。

 思考力が高い子どもが育つ家庭では、次のような「3つの習慣」があります。子どもは小さな時から「自分で考える癖」を身につけているのです。

(1)小さな選択をさせ、「YES・NO」を明確にさせる
(2)選択の際には、論理的に理由を考えさせる
(3)自分の本心と向き合って選択をさせる

 このような「習慣」を親子の会話の中に上手に織り込むことで、子どもは自分なりの独立した考えを持つように育っていきます。

 その結果、「テレビやインターネットでこう言っているから」「権威のある人がそう言っているから」「頭の良い友だちが言っているから」などではなく、事実や根拠に基づいて、自分の意思で物事を決め、周囲と良い関係を保ちながら、自分らしい人生を切り開いていくことが可能になるのです。

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「周りに流されやすい子」の親が家庭で無意識にしているNG習慣ピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

「周りに流されやすい子」の親が家庭で無意識にしているNG習慣「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。