感謝していることを
具体的に相手に伝える

<人を動かすルール>
具体的な感謝の達人になろう

 感謝することもスキルの一種だ。ただ「ありがとう」と言うことは大切だが、もっといい感謝の伝え方もある。“感謝の達人”になる方法を考えていこう。

 最初のステップは、正しい用量を守ること。感謝が足りないのがよくないのは当然だが、感謝のしすぎも考えものだ。ささいなことで大げさに感謝されたら、バカにされたように感じる人もいる。

 そもそも、相手は何をしてくれたのか?感謝を伝える前に、相手の貢献についてよく考えよう。

 お茶を淹れてもらうたびに毎回分析する必要はないかもしれないが、プロジェクトで成果を上げてくれた、結婚式の準備を手伝ってくれた、何時間もかけて調べ物をしてくれたといった場合なら、相手の貢献をよく考え、適切に感謝しなければならない。

 そして“感謝していることを具体的に相手に伝える”。これが正しい感謝のあり方だ。

 相手の忍耐強さに感謝しているのか?
 何日も残業してくれたことなのか?
 細部によく気づいてくれることなのか?
 相手の優しさ?非常事態でも落ち着いていること?

書影『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
リチャード・テンプラー著、桜田直美訳

 具体的に言葉にして伝えよう。相手は自分のしたことはわかっているが、あなたがそれをどう思っているかはわからない。だからはっきり伝えるべきなのだ。

 次に、どうやって感謝するかを考える。ここでは、相手の人となりも考慮に入れなければならない。感謝のされ方にも好みがあるからだ。個人的にお礼を言われるのが好きな人もいれば、お礼のギフトを喜ぶ人、人前で感謝されるのが好きな人もいる。

 予想外の感謝は、予想していた感謝よりも効果が大きい。思いがけないお礼のギフトや電話は、儀礼的なお礼よりもずっと効果がある。

 大切なのは、相手に「きちんと感謝されている」と感じてもらうということだ。

 いつも感謝しているからといって、おざなりになってはいけない。できるだけ具体的に感謝し、相手の貢献をきちんと認識していることを伝えよう。