
我が子が言うことを聞いてくれない、ちゃんとマナーを守ってくれない、など、多くの親が子育てに悩みを抱えている。しかし、数多くの企業でマネジメントを担ってきたリチャード・テンプラー氏によると、そもそもの原因は子供に対する親の接し方にある、と語る。親も子も幸せになれる“子育てのルール”とは。※本稿は、リチャード・テンプラー著・桜田直美訳『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集しお送りする。
子どもだって人間
敬意を払われる資格がある
<幸せな人の子育てのルール>
子供に敬意を払う
知り合いのある母親は、わが子に対していつでも命令口調だ。「お昼を食べなさい」「車に乗りなさい」「歯を磨きなさい」。先日、彼女から聞かされたのは、どんなに注意しても子供が「お願いします」や「ありがとう」を言わないというグチだった。何が問題かは言うまでもないが、彼女にはわからないようだ。
子供に言葉づかいを教えるのは簡単だ。子供は親の言いつけに従うものだとされているからだ。一方、大人は違う。そのため私たちは、大人が相手なら丁寧にお願いするが、子供が相手だと命令口調になってしまう。
問題は、子供にはそんな事情など関係ないということだ。あなたが他の大人には丁寧に話しても、子供は気づかない。子供はただ、自分に対する親の言葉づかいを真似しているだけだ。
まともな子供であれば、親の言葉よりも行動から学ぶ。だから、あなたが子供に対して丁寧に話さないなら、子供が同じことをしても責められない。
当然ながら、子供は敬意を払われる資格がある。理由は単純で、彼らが人間だからだ。しかしそれよりも重要なのは、あなたが子供に敬意を払わなければ、子供もあなたに敬意を払わないということだ。
子供に敬意を示しても、親の権威は損なわれない。「歯を磨いてね」「テーブルに食器を並べてくれる?」と丁寧にお願いしても、子供は、断るという選択肢はないということを学ぶだろう。お手本を示すという最高の方法で、子供にマナーを教えることができる。
子供が親をお手本にしているのはマナーだけではない。だから約束を破ってはいけないし、ウソをついてもいけない。真似されたくないのなら、子供の前で汚い言葉を使うのも禁止だ。