誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に続く『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

【精神科医が教える】不安を減らして心を軽くする…誰もがハマりがちな意外な落とし穴Photo: Adobe Stock

確認すればするほど不安は増す

今日は、日常生活で不安を感じにくくするための生活習慣についてお話ししたいと思います。特に確認”という行為についてです。

確認というのは、一度やり始めると止まらなくなることがあります。確認を繰り返すことで一時的に安心感を得られるかもしれませんが、それが習慣化すると逆に不安が増してしまいます

最悪の場合、確認がエスカレートして日常生活に支障をきたすほどになり、脅迫性障害と呼ばれる状態に陥ることもあります。もちろん、ここまで深刻な場合には専門的な治療が必要ですが、今日はそこまで行かないレベルの話をします。

確認しない練習が不安に強くなる鍵

日常生活の中で、確認するという行為をどこかで止める練習をしてみましょう。この習慣を身につけることで、不安への耐性が自然と強くなります

実を言うと、私自身も不安になりやすいタイプです。特に疲れているときや嫌なことがあったとき、体調が良くないときなどには、つい色々なことを確認したくなります。

例えば、「本当に大丈夫かな?」「あれはちゃんとできているかな?」と考え始めると、次々と確認したいことが頭に浮かんできます。

確認の連鎖を断ち切る方法

こうした不安を感じたとき、確認するかどうか迷う瞬間が訪れます。ここで大事なのは、その確認したい衝動を最初の段階で断ち切ることです。「確認しなくても何も問題が起きなければ、それでいい」と思うことが大切です。

元気なときであれば、この衝動をある程度抑えることができます。ざわざわした気持ちが湧いてきたとき、「今は確認しない」と決めて少し時間を置いてみましょう。人間の気持ちは意外と早く切り替わるものです。しばらく経つと、「まあ、いっか」と思えるようになります。

成功体験を積み重ねる

この「確認しないで大丈夫だった」という成功体験を積み重ねることで、次第に確認しない習慣や、考えすぎない習慣が身についてきます。確認や考え込みを最初の段階で止めることが、心のエネルギーを守るためには非常に重要です。

一度確認を始めてしまうと、次々と新しい不安が湧いてきてしまいます。そして確認を繰り返すことでエネルギーを消耗し、さらに不安を感じやすくなるという悪循環に陥ります

不安を減らすために

不安を減らしたいと考えているなら、まずは確認する習慣を少しずつ減らす練習をしてみてください。最初は難しいかもしれませんが、元気なときにこそ練習を始めるのが効果的です。

この習慣が身についてくると、不安に対する耐性も自然と強くなります

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。