1850年代からジーンズを作り続けている米リーバイ・ストラウス(リーバイス)は、同ブランドになじみのない若い消費者の間で、ゆったり感が特徴のバギーフィットが流行することが直感的に分かっていた。ただ、それ以外の顧客層にも受け入れられるとの確信を得るにはテクノロジーの助けが必要だった。
リーバイスのジェイソン・ゴワンズ最高デジタル責任者(CDO)は、同社の定番ストレートジーンズ「501」になじみがあり愛着を感じている人は多いとした上で、「だが彼らは現在、ワイドレッグフィットへの関心も高まっている。これは少なくとも、われわれにとってはちょっとした驚きだった」と語った。
ゴワンズ氏によると、リーバイスは2020年にグーグル・クラウドと契約した。これにより購入やウェブ閲覧、小売りパートナーの販売、ロイヤルティープログラムなどに関連したデータをグーグルのデータベースに集め、購入トレンドを把握し予測するよう設計された機械学習アルゴリズムを毎日運用し始めた。結果として、リーバイスは110カ国、5万カ所に上る販売拠点(リーバイスは直営店うち1100カ所のみ)からのデータを初めて継続的に集約できるようになったという。
世界規模で卸売り事業を展開するリーバイスは、全てのデータを一元化することに以前は苦労していた。購買データは特に重要なものの、規模や技術力でばらつきが大きい小売りパートナーの間にこうしたデータは分散していた。