高級品業界で復活の兆しを見つけるには、最も小さなハンドバッグに力を入れるブランドを探すことだ。
高級ブランドの間では、最近のコレクションで発表した「スーパーミニ」バッグや1200ドル(約17万円)のチェーンウォレットにかける期待が高まっている。こうした傾向は大して重要ではないと映るかもしれないが、中間所得層の消費者を呼び戻し、低迷する株価を回復させるための努力の表れだ。
世界の高級品販売で合計約70%を占める中国と欧米の消費者は一様に慎重姿勢を強めており、高級品の需要は低迷している。ただこれは、新型コロナウイルス流行時に商品価格を引き上げすぎた高級ブランド自身が招いた面もある。英HSBCの推計によると、高級品の価格は現在、2019年よりも平均して55%高い水準にある。中間所得層の消費者にとって2000ドル未満の高級ハンドバッグを見つけることは以前よりも難しく、このため高級品店に足を運ぶ頻度が落ちている。