![欧州株、世界の上位に躍り出る](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/650/img_0213b961144bfcb2752227520f082104212871.jpg)
欧州経済は低迷が続く中、ドナルド・トランプ米大統領が関税の次のターゲットとして貿易依存度の高い同地域を名指ししており、状況は一段と悪化する恐れがある。それでも、欧州株は好調だ。
ドルに換算した独DAX指数は年初から9%超、仏CAC40指数は約8%上昇している。これはS&P500種指数の2.45%上昇を大きく上回っている。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、欧州の株価指数が年初来でこれほど大幅に米国の指数を上回るのは2015年以来だ。
今年最も好調な大型株の中には、仏ソシエテ・ジェネラルやスペインのサンタンデール銀行といった欧州の銀行、英バーバリーやスイスのリシュモンなどの高級ブランドが含まれる。
このような欧州株に対する熱狂は意外なタイミングで起きている。ユーロ圏は2024年10-12月期にゼロ成長となり、トランプ氏は「まもなく」欧州連合(EU)に関税を課すと述べている。
それでも、複数の要因が欧州市場を押し上げている。
投資家はトランプ氏のホワイトハウス復帰で米国株の優位性が揺るがないものになると予想していた。しかし、中国の人工知能(AI)新興企業ディープシークの台頭や、米テック大手アルファベットやマイクロソフトなどのさえない決算を受け、そうした見方は揺らいでいる。その結果、投資家は欧州やアジアなど、これまで敬遠されてきた市場を見直すようになった。