仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつマネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

「仕事が速い人」は何が違う? 成果を最大化する「段取り力」の秘密Photo: Adobe Stock

段取り力の重要性

勝つためのストーリーを組み立て、情報を取得できたとしても、それを実現するためには、いろいろとやるべきことがあります。

新規開拓の例に見る段取り

新規開拓を例にすると、以下のような段取りが必要になります。

担当者の抜てき
訪問先のリストアップとアポイントメント
訪問時の説明資料の準備
商談のシミュレーション(ロールプレイング研修)による実践的なスキル向上

会社によっては、これらを段取りして進めないと、「新規開拓に注力したけど、1年たっても成果が得られない」という事態になりかねません。

具体的な段取りの方法

具体的な段取りとしては、以下の3点を明確にした一覧表を作成します。

1.やるべきタスク(仕事)
2.担当者
3.スケジュール

担当者の割り振りは、部下の強みを考慮しながら決めることが大切です。

秀吉の家臣配置に学ぶ段取り力

豊臣秀吉も、戦闘には加藤清正や福島正則などの武功派をあてる一方、事務や物流などの裏方には石田三成などの実務派をあてました。

人たらし”ともいわれる秀吉は、それぞれの家臣の強みを把握し、適材適所で仕事を任せることで、家臣たちのプライドをくすぐるようにしていたのです。

進捗管理と日常のコミュニケーション

一覧表を作成したうえで、以下の手段を活用して進捗を管理します。

会議を通じたタスクの確認・指示(依頼)
日ごろのコミュニケーションでのフォロー

基本的には会議で進捗確認を行えばよいですが、会議では把握できない担当者の本音や悩みがあることも少なくありません。

何気ない日ごろのコミュニケーションのなかで、「仕事はうまく進んでいる?」といったやりとりが、意外と問題解決に直結しやすく、部下の仕事が進みやすくなります。

現代に求められる「情報収集力」と「段取り力」

労働時間が短くなっている昨今でも、豊臣秀吉のようにスピード感をもって成果を実現するためには、

1.効率的で確度の高い情報収集力を磨く
2.迅速・確実に進めるための段取り力を磨く

ことが、これまで以上に求められています。

※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。