ドナルド・トランプ米大統領は10日、すべての輸入鉄鋼・アルミニウムに25%の追加関税を課す大統領令に署名し、経済にまたしても不確実性のショックを与えた。トランプ氏のアドバイザーたちによれば、この関税は他の目的のための取引材料というよりも、経済的観点からの「戦略的」なものだ。米国の製造業者や労働者に損害を与える戦略なのだろうか。トランプ氏が1期目に実施した関税では、まさにそれが起きたことであり、同氏がその失態を繰り返す恐れがある今、この重大ミスによる損害を振り返ることには意義がある。トランプ氏は2018年3月、国家安全保障を守るという名目の下、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税をかけると発表した。今と同様に当時も、米国の金属輸入の大半はカナダ・メキシコ・欧州・韓国・日本などの同盟国・地域からのものだった。