いつも気を使い過ぎて、心が疲れてしまう」「このままで大丈夫なのか、自信がない」と不安になったりモヤモヤしてしまうことはないでしょうか? そんな悩みを吹き飛ばし、胸が晴れる気持ちにしてくれるのが『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』です。悩む人たちに40年以上向き合ってきた精神科医が、自分の娘に「どうしても伝えたかったこと」を綴った本書は、韓国で20万部を超えるベストセラーとなりました。本記事では、その内容の一部を紹介します。

「絶対に結婚してはいけない人」がわかる「1つだけ確認すべき」こととは?Photo: Adobe Stock

結婚相手を選ぶ前に考えぬくべき、たった1つの問い

結婚相手を見極める際に、経済面ではこだわるのに情緒的な面を甘く考えている人は思いのほか多い。

「一緒になれば幸せになれるだろう」「私を愛してくれる人なら当然優しくしてくれるだろう」と、のんきに構えている。

それならそれで相手に求める要求を引き下げられればよいが、そうしないまま経済面のほうを優先させるから、結婚後に温かくも優しくもない相手に腹が立つのだ。

恋愛中に言ってくれていた「一生大事にするよ」という言葉をうのみにしたわけではないが、すっかり変わり果てた夫には失望するばかり。こうした期待外れの相手に対するマイナスの感情が積み重なって、気付いたときには取り返しのつかない状態にまで陥っている─。

夫婦間の情緒的な問題は、経済的な問題と同じくらい時間と努力が必要だ。恋愛初期に燃え上がっていた愛が冷めた空白を、夫婦2人だけの楽しみと意義で埋めていかなければならないのだから。

問題は、「何をもってその楽しみと意義とすればいいのか」を誰も教えてくれないことだ。お金の問題なら計算が可能だが、夫婦間の空白を埋めるものは、時にケンカもしながら暮らしていく中で2人で見つけていくしかない。

実のところ、いくら口では「結婚生活で一番大事なのはお金だ」なんて言っていたって、心の中では誰もが固い愛で結ばれた関係を望んでいることを、私は知っている。

今の人たちは家庭を単なる「経済共同体」ではなく、愛情と友愛で結ばれた「幸せの共同体」だと考えている。

ならば、こうした考え方の変化に合わせて、私たちはもっと努力しなければいけない。経済問題に頭を使うのと同じ分だけ、愛も、育てて手入れをする必要があるというわけだ。

何十年も別々の人生を生きてきた男女が一緒に暮らすのは容易なことではない。

ささいな習慣から心の傷、コンプレックスまで、向き合わなければならないことが山ほどある。

つらく苦しいときもあるけれど、2人の間に生じる問題から目をそらすことなく解決しようという努力の積み重ねが、かけがえのない共通の財産になっていく。

だから私は、結婚を迷っている人たちには、次のように、3日間だけ自分に問いかけてみるように言っている。

1日目 「相手はきちんと会話ができる人か?」
2日目 「相手はきちんと会話ができる人か?」
3日目 「相手はきちんと会話ができる人か?」

これは、哲学者のニーチェが言っていることなのだ。

「結婚するときは自問せよ。“歳を取ってもこの人と会話ができるだろうか?”と。結婚において、それ以外のことは年月が経てば変化することだ

結婚生活は恋愛とは違う。どんな無理も叶えてあげたいほどの甘い関係が恋愛なら、解決すべき問題が毎日のように山積みになるパートナー関係が結婚だ。

結婚した瞬間から、双方の実家の問題から家族計画、家事の分担、教育問題、資産管理……に始まって、飲酒の習慣やトイレの使い方、脱ぎっぱなしの靴下の問題まで、恋人時代には考えも及ばなかった日常の中のたくさんの問題に直面するからだ。

(本記事は『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』の一部を抜粋・編集したものです)