くだらない理由でせっかくの出会いを逃している人が多い昨今の恋愛市場において、成功するのは「相手の長所を見つける」ことに長けている人だという。ハーバード×Google式、マチアプ時代の恋愛戦略!恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクターとして活躍する著者が心理学と行動科学の知見から導き出した成功の秘訣とは。本稿は、ローガン・ウリー著、寺田早紀訳『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)の一部を抜粋・編集したものです。
2度目のデートの
成否を左右するもの
就職面接のようなデートをしていたクライアントのジョナサンは、徐々にデートの考え方と方法を改めていきました。喫茶店ではなく、家の近くにあるティキ・バー(訳注:南太平洋をテーマにしたポリネシアンスタイルのバー)で、腕のいいバーテンダーの作るカクテルを薄暗い照明のもとで楽しむようにしました。適度に騒がしい店内は、デート相手の耳元にささやきかけるのにぴったりです。
ジョナサンは初デートをマスターしたのです。けれども、2度目のデートの相手選びに悩んでいました。
「正直に言って」とジョナサンがセッション中に言いました。「すてきな男性にはたくさん出会えた。けれどもデートのあと、どうしてもかれらの欠点についてあれこれ考えてしまうんだ。仕事がつまらないとか、ユーモアのセンスが安っぽいとか、ベストを着ているとか」
ネガティブなことに目を向けてしまうのはジョナサンの責任ではありません。人間の脳がそのように進化しているのです。
さいわい、くだらない理由ですてきな恋人候補を逃さないために、ネガティブな衝動を抑える手段があります。ポジティブな面に目を向けるよう脳を訓練することができます。「己の欲せざるところは人にほどこすことなかれ」という教えがありますが、それを恋愛に当てはめると、自分が裁かれたくない方法で人を裁くなということです。