数字や具体的行動を入れて共通言語化すると…
現場で働く社員たちの多くは、店頭でお客様と会話を交わし、そのときに求めているものがわかれば、それで充分だと考えていました。
本社で働く社員たちは、流行の先取りをした商品開発をすればいいのであって、お客様との接点について深く考えたこともありませんでした。
しかし、経営者の求めていることは、もっと積極的なものだったのです。
そこで、「M=計測できる」と「S=明確化された」を意識して、経営者の考えを共通言語化してもらうと、次のような言葉になりました。
◎「お客様のことを良く知る」を共通言語化すると……
「現場の店長が、一年に三回以上来店される常連客の顔と名前が一致し、その趣向を理解している」
「本社の人間が、一年に三回以上来店される各店の常連客について、いつ、どこで、なにを購入したか把握している」
◎「お客様のニーズを予測する」を共通言語化すると……
「現場の店長が、一年に三回以上来店される常連客に、名前でお呼びし、前回購入商品の感想を聞き、おすすめの商品について確実に伝えられる」
「本社の人間が、一年に三回以上来店される常連客の購入履歴から、新しいモデルやセールなどのお得な情報を、それぞれを求めるお客様に情報発信できる」
このように数字や具体的行動を入れることで、経営者が求めていたレベルが社員たちに伝わるようになりました。
「なんだ、そこまでやらなければいけなかったのか」
理解した社員たちは、ようやく経営者が求めていた正しい行動を積極的にとれるようになりました。これによって社員全体の底上げが図れ、業績もアップしていったのです。