「ゆとり世代」の部下たちは上司と摩擦を起こしたくないばかりに、わからなくても「わかりました」と言ってしまう。上司としては「どうしてできない?」と苛立つばかり。自らも部下育成に苦労したという石田淳氏の新刊『8割の「できない人」が「できる人」に変わる!行動科学マネジメント入門』の「プロローグ」よりアドバイスを贈る。
自分を基準に考えてはいけない
私自身、幅広く事業を営む中で、部下を育てるのに非常に苦労した経験があります。
自分ができることを彼らができないでいると、決まって思ったものです。
「なんでこんなことができないのか!」
そして、とにかく自分のマネをさせようと、あれこれ指示を出し、自らのやり方を押しつけては大勢の優秀な人材を辞めさせる結果となりました。
そうしたことを繰り返しているとき、私はアメリカで行動科学マネジメントの理論に出会い、自分の間違いに気づきました。
私は、一生懸命、教えているつもりでいたけれど、それは具体的な「行動の指示」ではなく、「やる気の喚起」という極めて曖昧な根性論にすぎなかったと。
そしてまた、「人はなぜ動くのか」という理由は、個々人まったく違うのだから、自分を基準に考えてはいけないのだと。