上司から指図されてムッとする女性写真はイメージです Photo:PIXTA
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もうムリ…あの人と働き続けるのは限界だ――人間関係の悪化を理由に転職を考える人は少なくありません。実際、厚生労働省の調査でも「職場の人間関係」は転職理由のトップに挙げられています。しかし、人間関係の悪化を動機とする転職は、無策で挑むと失敗します。職場の人間関係に悩んだら、まず考えるべきことを解説します。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)

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かっこいい転職理由を並べても
本音は「人間関係」の悪化

 会社を退職する理由として、常に上位に上がるのが「人間関係」です。たとえば厚生労働省の令和5年雇用動向調査によると、令和5年の1年間の転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」をあげた人は男性で9.1%、女性で13.0%でした。

 これは男女ともに転職理由の第1位で、男性2位の「給料等収入が少なかった」が8.2%、女性2位の「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が11.1%と続きます。

 しかし、人間関係の悪化といっても、実にさまざまなパターンがあります。パワーハラスメントのような深刻なものから上司とそりが合わない、同僚との関係がギスギスしている等々。

 ただし、人材紹介会社のキャリアコンサルタントが転職相談を受けるとき、最初から本当の転職理由として人間関係をあげる人はほぼいません。そういう人は「もっと成長したい」や「いまの会社でできることはやり切ったから」といった、誰でもいえるような話をすることが多いです。

 しかし相談者の話を深掘りしていくうちに、自分から「実は人間関係が……」と切り出してきたり、こちらが「それって人間関係の問題ですね」と発見したりするのです。