もはや終身雇用は昔話となり、転職を身近に感じる人が増えた今でも転職活動における「勘違い」はなかなかなくなりません。理由は、ビジネスの基本的な認識を欠いたまま転職活動をしている人が少なからずいるからです。転職活動はビジネスの延長であることを踏まえて、古典的なNG行動を解説します。さらに、本稿後半では転職希望者を取り巻く「環境の変化」に起因して増えている「新たなNG行動」を取り上げます。どれも転職希望者を窮地に追い込み、ハズレ認定されてしまうような「一発アウト」のものばかりです。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
面接レベルが新卒並みの
転職初心者にありがちな「勘違い」
転職市場の常識を知らないために転職に失敗することがないように、転職活動初心者が陥りがちな勘違いについて紹介しましょう。
特に若手の転職希望者に多い勘違い行動としては、複数の会社に応募し、その中の1社から内定が出たのに入社か辞退かを決断せず、他の会社の結果を待とうとすることです。つまり、「複数の会社に応募した結果を並べて判断しようとする」ことで、新卒で就職活動をしていたときの感覚そのままで転職活動をすることから生じる行動だと考えられます。
しかし中途採用の場合、ビジネスの延長線上で進行するためなるべく早く決断して返事をするのが当たり前です。即決が求められるほどシビアではありませんが、内定が出てから返事をするまでの期間は1週間程度が目安です。
実際、内定から1週間内に返事をする約束だったのに、「他社の結果がまだ出ていないので、もう1週間待ってください」といった要望をする人がいます。現在は人手不足の状況のため待ってくれる企業が多いですが、「決断してもらえないのなら結構です」と断られる場合もありますし、待ってもらえたとしても内々の評価は下がりかねません。