
米国は、ロシアを孤立させる取り組みを3年間にわたり続けてきたが、ここにきてその方針を大きく転換させた。ロシア政府当局者らはこの変化を歓迎しているものの、事態の進展の速さに驚きを隠せずにいる。
18日には米ロ高官がサウジアラビアで会談し、ウクライナ戦争の解決策と米ロ関係をリセットする方法を協議。その数日前にはドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が電話会談したばかりだった。
また19日にはトランプ氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の間で非難の応酬が激化し、 トランプ氏はゼレンスキー氏を「独裁者」と呼んでいる 。
18日の協議では米ロ首脳会談の開催こそ発表されなかったものの、トランプ氏はその後、早ければ月内にも実現するかもしれないと説明。19日にはプーチン氏も米ロ首脳会談が速やかに開催される可能性があると認めつつ、準備も必要だと述べている。
プーチン氏は19日、「われわれは単にお茶やコーヒーを飲みながら座って将来について話し合うだけでは十分ではない状況にある」と発言。「双方のチームが米ロ両国にとって極めて重要な課題に向け準備する必要がある」と述べた。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官も同様に慎重ながら楽観的な見方を示し、「前途には多くの仕事があるが、最初の大きな一歩が踏み出された」としたうえで、「起こったことから結論を導き出すにはまだ早い。勢いは非常によく、建設的なアプローチだ」としている。