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【精神科医が教える】人間関係をラクにするたった1つの考え方Photo: Adobe Stock

人間関係は水もの

 人間関係というのは本当に流動的なものだと常々感じます。意外と変動が激しく、いつの間にか疎遠になったり、逆に急に親しくなったりするもの。

 自分自身の考え方や価値観が少しずつ変わっていくように、周りの人たちもまた変わっていきます。変化する者同士が関わるのですから、人間関係も変わって当然なのです。

変化は自然なもの

 例えば、以前は些細なことでイライラしていたのに、今は気にならなくなったり、逆に以前は気にしていなかったことに敏感になったりすることがあります。

 性格や考え方が少しずつ変わるのは自然なことであり、それにともなって人間関係も変化していきます。だからこそ、どんなに仲の良い関係でも、ずっと同じ状態が続くとは限らないのです。

期待しすぎないことが大切

 人間関係が一定の形に固まっているものだと考えてしまうと、「いつも仲が良いのだから、大事にされて当然」「これまでやってくれていたのだから、今回もやってくれるはず」といった期待が生まれます。そして、その期待が満たされないと、落ち込んだり、不満を抱いたりするのです。

 けれど、人間関係はそもそも水のようなものなのだから、変化していくのが普通なのです。期待しすぎるのではなく、今の関係をそのまま受け入れることが大切です。

人間関係の波を受け入れる

 人付き合いには、良い時期とそうでない時期があります。うまくいかなくなったからといって、無理に関係を続ける必要はないし、連絡を取りたくなければ取らなくてもいい。逆に、時間が経って再び縁がつながることもあります。

 そのときに「もう連絡を取らない」と決めつけるのではなく、その時々の流れや気分に任せればいいと思うのです。

 過去に仲の良かった人と疎遠になったとしても、その時の関係が価値のあるものだったことに変わりはない。だから、今の状態を無理に否定する必要もないし、過去の関係に執着しすぎる必要もない。ただ、今ある関係に感謝し、相手を尊重しながら過ごすことが、人間関係を良好に保つ秘訣です。

人間関係は変わるもの

 人間関係は石のように固まったものではなく、水のように変化するもの。ちょっとしたことで濁ることもあれば、逆に清らかになることもある。そう考えれば、今の関係がずっと続くとは限らないことが理解しやすいし、変化に対して過度に悩むことも少なくなります。

 大切なのは、その瞬間瞬間を大事にすること。人間関係を固定されたものと考えるのではなく、流れに身を任せながら、柔軟に向き合うことが、本質なのではないかと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。