USスチールに対する日本製鉄の買収提案がどれほど見込みがないように見えたとしても、日鉄が勝利する可能性をまだ排除してはいけない。ドナルド・トランプ米大統領はこの買収に反対している。だが大統領はTikTok(ティックトック)や暗号資産、イーロン・マスク氏、関税のタイミングについては考えを変えた。現段階では可能性がどれほどわずかに見えるとしても、この買収提案についても気が変わるかもしれない。さらに見直しを進めた結果、日鉄による買収を承認することは――大統領がよく口にするように――「常識」だと言う可能性もある。大統領が翻意すれば、現在37ドル(約5520円)前後のUSスチール株にとっては大きなプラスになるかもしれない。日鉄の提案は1株55ドル、総額で141億ドルだ。米国の製鉄会社、クリーブランド・クリフスは、日鉄が撤退し、5億6500万ドルの違約金を支払えば、買収に乗り出す可能性があることを示唆している。