「物流施設の賃料」に値上げの兆し?新規供給が急減している3つの理由写真はイメージです Photo:PIXTA

不動産サービスのCBREが、物流施設の開発計画の見直しに伴い「首都圏物流施設の賃料水準が上向く可能性がある」とするレポートを公表した。値上げの原因は何か。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

竣工時期後ろ倒し、冷凍冷蔵への変更も

 大型マルチテナント型物流施設の建設工事期間は、物件の規模にもよるがおおむね1.5年~2.5年であり、そのため将来に予定される新規供給は、その年の2年前までは新たな計画が積み上がって増える。しかし、その後は大きく変わらず、ほぼ計画通りに物件が竣工することが一般的となっている。

 しかし、25年に予定される新規供給については様相が異なる。CBRE(本社・東京都千代田区、辻貴史社長)によると、22~23年にかけて開発計画が積み上がった結果、23年Q4(10~12月)時点で25年の新規供給は59.5万坪まで増えた。しかし、24年Q4時点における25年の新規供給は46.7万坪だった。25年の開発計画が1年間で約13万坪、22%が減ったことになる。

 新規供給が減った理由のひとつは建築費の高騰。倉庫の工事原価指数をみると、15~20年までの6年間の上昇はわずか4ポイントだったが、21~24年の4年間では32ポイント上昇した。その結果、開発用地の取得時に想定した建築費と、設計段階の概算の建築費が大きく乖離し、開発計画が見直されたと考えられる。