どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場にいる「休暇取得のタイミングがヘタな人」は絶対に出世しない。その本当の理由Photo: Adobe Stock

休暇取得が下手だと出世しない

皆さんは休暇を年に何日取得しているでしょうか。

私が勤めるメガバンクでは、それこそリーマンショック前後の時代は休暇を申請しようものなら「なぜ休暇を取得するのか?」と詰められるくらい休暇の取得が難しかったですが、今では上司から「なぜ休暇を取得しないのか?」とノルマのように休暇取得を迫られる時代に変わりました。従業員の年平均休暇取得日数も年々増加傾向にあります。

しかしながら、30代以降のサラリーマンは若手時代のモーレツな働き方が染み付いていてあまり計画的に休まず、年度末に駆け込むように休暇取得をするようなケースも散見されます。

残念ながら、このように計画的に休暇が取得できない社員は出世しません。休暇の取得と出世は一見関係ないように見えますが、そんなことはありません。休暇の取得の仕方にも様々なテクニックが存在します。今回は、計画的に休暇を取得することの重要性を解説します。

休暇は「先に決める人」が得をする

そもそもなぜ、休みを計画的に取ることが重要なのでしょうか。それは端的に言ってしまえば、あなたが損をしてしまう可能性が高くなるからです。

たとえば、あなたの周りの人が早々に休みの日程を計画的に決めてしまった場合を想像してみてください。同僚3人が「3月の一週目」「3月の二週目、「3月の四週目」に休暇を取得していたら、あなたはどこで休暇を取れそうでしょうか。

どうしても「3月の三周目」以外は取りづらくなってしまうと思います。つまり、計画的に休みを取らない人は、実質的に、休暇取得できる日付が限定され、部署の調整弁にされるリスクがあるのです。では、ここであなたにとってチャンスになる仕事が「3月の三周目」に発生したら、あなたはどう対応しますか? 考えたくもないですよね。

出世する人は前もって休暇の申請をして、計画的に休暇を取得しています。「休むのが上手い」というのも、社会人としてうまく立ち回るためには必須のスキルです。覚えておいて損はないでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)